だいこく通信 第五号「春の号」 (平成23年3月発行)

 

ごあいさつ

 日頃より当神社での神明奉仕にご協力を賜り、ありがとうございます。

社報「だいこく通信」第五号をお届けします。引き続き、社殿新築の準備をしております。詳細は、次の「大國神社の今」をご参照くださいませ。工事完了後は、これまでよりもだいぶ小さな境内になりますが、可能なかぎり旧境内の雰囲気の面影を残しつつ、崇敬者のみなさまに安心してお参りいただける環境を作りたいと考えております。また、催しなど新しい試みも構想中です。

今後ともなにとぞよろしくご指導・ご鞭撻のほどお願い申し上げます

大國神社 宮司 大島資生

大國神社のいま

〈新築工事の様子〉

新しい社殿・社務所の大まかな設計が固まり、現在は、社殿の意匠など細部の最終調整を行なっております。今後の予定は以下のとおりとなっております。

平成二十三年春 社殿(本殿・拝殿)着工

平成二十三年十一月末 境内整備完了

 なお、隣地の共同住宅は土地の買い主である建築会社が管理・販売・運営するもので、当神社とは一切関係ありません。当神社は共同住宅の大家ではありません。

 境内整備後、神社の門は旧来とほぼ同じ位置に設置いたします。社殿は門から入ってほぼ真正面に建築予定で、建て替え前の社殿よりいくぶん広くなる予定です。また、旧本殿を新しい本殿の内部に復旧する予定です。社殿と同時に、門を入って向かって右手に社務所を新築いたします。

 

ご寄付のお願いについて

 今回の社殿・社務所新築、境内整備工事に当たり、早くからお気づかいくださっているみなさまには、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。社殿新築に合わせ、調度品などもできれば新しく用意したいと考えております。

つきましては、皆様からのご寄付をお願いできればと存じ、現在準備を進めております。準備がととのい次第、改めてご連絡いたします。その折にはなにとぞよろしくご支援のほどお願い申し上げます。

 

お宮あれこれ 大国さまと「知恵」

大国さまは「福の神」として、昔からいろいろなご利益を授けてくださる万能の神様といわれています。「商売繁盛」や「縁結び」のご利益はよく知られていますが、「学業成就」にもご利益があるといわれているようです。大国さまは若いころから大変頭がよく、特に医学や薬学のくわしい知識をお持ちでした。だいこく通信の第三号でもご紹介しました「因幡の白うさぎ」のお話では、肌の傷ついた白ウサギに、とても親切に治療法を教えていらっしゃいます。このようなことから、大国さまは「知恵を授ける神」ということができそうです。すなわち、学業のご利益にもつうじると言えましょう。

そこで今回は、神話の中にあります大国さまと「知恵」にかかわるお話を、一つご紹介したいと思います。

あるとき、大国さまはスサノオという神様のいる国に行きました。そこで、スサノオの娘のスセリヒメと出会います。ひかれあった二人は、スサノオに結婚のゆるしをもらいに行きますが、大国さまは結婚の条件として、スサノオから数々の試練を受けることになりました。ヘビのいる部屋や、ムカデと蜂のいる部屋に寝かされたりしますが、いずれもスセリヒメが機転を利かせて、追い払うための布を授けてくれたので、難をのがれました。次にスサノオは草むらにかぶら矢(先端に武具がついていて、射ると音の鳴る矢のこと)を放ち、その矢をとってくるよう大国さまに命じました。大国さまが草むらに入ると、なんとスサノオはそこに火を放ってしまったのです。このとき、一匹の白ネズミが現れました。そして「内はほらほら、外はすぶすぶ」と、実に謎めいたことばを大国さまに伝えました。大国さまはすぐにピンときました。これは「なかは空洞になっていて、入口はすぼんでいる」という意味で、すぐそばに身を隠せるほら穴がありますよ、というメッセージだったのです。大国さまはその穴に隠れて火の手をのがれました。さらに、先ほどのネズミがスサノオの放った矢をくわえて持ってきてくれたので、それを持ってスサノオのもとに向かいました。… というお話です。

このお話、興味深いところがいくつかございます。まず一つ目は、白ネズミの言った暗号のようなことばが、大国さまには一瞬でわかってしまったことです。さすがは知恵の神さま、どんな状況でも頭が冴えていらっしゃいます。そしてもう一つは、「知恵を授ける神」の大国さまが、スセリヒメからは布、白ネズミからは言葉のヒントと、いずれも「知恵」をもらって助かっているということです。「因幡の白うさぎ」のお話では、ご自分の持つ知恵を分け与えてウサギを助けましたが、このお話では、大国さまのほうが知恵によって助けられているのです。なんだか不思議な気がいたします。

「知恵を授ける」とか「知恵を授かる」、「知恵を出し合う」といったいい方がありますが、知恵とは自分が持っているだけではなくて、誰かと分かち合ってはじめて役立つもの、といえるのではないでしょうか。誰かのためにおしみなく知恵を出せば、今度は自分が、思いがけないところで誰かの知恵に救われるかもしれません。大国さまのお話から、こんなことを考えることもできそうに思います。

私たちもふだんの生活のなかで、たくさんの「知恵の貸し借り」をしていきたいものですね。

                                     

 

 

 

尊像代金について

以下の通りお願いしております。

第一体目から四体目まで    1000

第五体目から七体目まで    1500

なにとぞご理解・ご協力をお願い申し上げます。

 

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